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はるちはSS書きました(続きの続き)

2012年06月04日 01:34

お久し振りです。小六です。
例によってはるちはSSの続きとなります。やったーまだ終わらないよー!\(^о^)/
そんなわけで、以下、SSとなります。




 ホテルに着くと、千早ちゃんは受付に宿泊人数の追加をお願いした。
 私はラウンジで千早ちゃんの様子を眺める。ソファーがやわらかすぎて、どうにも落ち着けなかった。
 受付のスタッフが私をちらりと見た。私は軽く会釈をすると、彼は千早ちゃんに笑顔で頷いた。
 それから身分証明をして、私達は滞在先の部屋に向かった。部屋の扉を開けると、広さにまず驚いた。

「千早ちゃんって、いつもこんなところに泊まってるの?」

 開口一番そう尋ねると、「あなただって芸能人でしょう?」と優しいたしなめを頂いた。
 千早ちゃんはテーブルの傍に鞄を置いて、私にキスをした。それが当たり前であるかのように、ひどく自然に。
 お互いの唇を噛みながら、目を細めた。うっとりとした心持のまま、千早ちゃんの首に手を回す。
 ふわふわとした感覚に溺れそうになり、私は千早ちゃんの髪の毛に指先を絡める。短くなっていても、艶やかな髪だった。

 そっと舌が挿し入れられ、私はそれに応える。ぬめぬめとした赤い塊が、口の中を這い回る。
 こうやってきちんと唇を重ねるのが久し振りだったからかもしれない。私達は、とにかくせっついてお互いを求めた。
 熱っぽい舌で歯を湿らせて。吐く息を逃さぬように顎の向きを変えて。早く早くとうなじを指先で焦らして。
 息も絶え絶えになるくらい舌を絡ませた後、私達は唇を離した。

「キス、上手くなった?」

 そう尋ねると、千早ちゃんはやんわりと微笑んだ。それ以上は何も言ってくれなかった。
 私は千早ちゃんの耳に顔を寄せた。それが千早ちゃんの優しさなんだって気付いていたけど、少し泣きそうになった。
 もう二年ちょっとだもんね。いろいろあるよね。あったんだよね。千早ちゃんの髪からは、知らない花の香りがした。
 せがむように耳を甘噛みすると、千早ちゃんは私を押し倒した。
 ベッドはロマンチックに音を立てて、私を受け止める。見上げた先の彼女の顔は、穏やかな微笑をたたえていた。
 どうしてそんな顔ができるんだろう。私はこんなに必死なのに。無性にその笑顔の裏側を暴きたくなった。
 だけど、待ちわびていたとばかりに身体は快楽に震えて、私は小さく声を洩らすしかできなかった。
 
「ちはや、ちゃ」

 手を伸べると千早ちゃんは私の手を取り、指先に口を添えた。そして、指紋を確かめるように指の腹を舐める。
 舐めて、咥えて、湿らせて。指先が強張る。千早ちゃんの口腔のぬめりに、指がふやけてしまいそうだった。
 ただただ、千早ちゃんはその行為に耽る。親指を執拗にねぶる姿は、男の人のそれを慰めているようにも見えた。

 そこじゃないの。そこじゃないの。
 私が欲しいのは、私がしてほしいのは。
 千早ちゃん、ねぇ。

 いやらしい水音を鳴らして、千早ちゃんは私の指を解放した。うっとりと息を吐いて、潤んだ瞳で私を見る。
 私の手に頬を寄せて、千早ちゃんは憂鬱そうに目を伏せた。私から目を逸らして、千早ちゃんは私の手の甲を撫でる。
 
「ねぇ、春香」 力のない、声だった 「ごめんなさい。なんでもないわ」

 目をつむって呟いた言葉は、自分に言い聞かせているみたいだった。
 千早ちゃんは私の胸に指を滑らせ、乳房を包み込む。手慣れた親指と不器用な薬指に焦らされて、息が上がる。
 頭の奥が白いもやがかかる。じんわりと汗に濡れた肌は熱く、それだけで理性を手放してしまいそうだった。
 こうなっては私も千早ちゃんも、気のきいた言葉なんて選んでいる余裕なんてなかった。ただ肌を重ね、快楽に喘ぐ。

「…はぁ…やぁっ…ん…」
「んんっ…はるか、はるか…」
 
 慣れないお酒を飲んだときみたいに、頭がぐらりと重みを増す。身体は風船みたいに浮き上がってしまいそうなのに。
 久し振りの秘め事というのに、千早ちゃんの手つきは昔と変わらなくて、この二年半がなかったみたいな気さえする。

 ずるいよ、千早ちゃん。
 こんなことされたら誰だって、昔の頃を思い出しちゃうよ。

 愛撫は止まらず、千早ちゃんの指は私の内腿に到達する。ゆっくりと指先が肌の上を進む度、あられもない声を上げた。
 早く、早く、早く。指先が望む先は、もうすっかり潤みきっていた。指先が秘裂に触れると、欲望のままに蜜が溢れた。
 シーツは汚れ、ぴちゃぴちゃと指先で弄ばれる音が聞こえた。
 鼻先をかすめる饐えた匂いは、否が応でも行為の深さを示しつけて、恥ずかしさも伴って私は爪先を緊張させた。

「大好きよ、春香」

 そう言って千早ちゃんは私の頬を舐めた。私は泣いていた。
 初めてのときもそうだったね。お互い必死で、愛を伝えるのに戸惑って、嬉しさの洪水に堪え切れなくなって。
 不器用でぎこちなかったけど。私、千早ちゃんの気持ちが伝わってきて、すっごく幸せだったんだよ。

 二たび、私達は深く口付けをした。責め立てる指の動きは止まらないまま、さらに激しさを増して。
 身体の奥から突き上げる衝動は舌先にあやなされて、身体の内に投げ返される。もう我慢なんてしてられなかった。
 千早ちゃんの舌の動きが止まる。千早ちゃんは唇を離し、私の顎についた涎をそっと拭き取った。
 朦朧とした意識で、私は千早ちゃんの頬に手を遣った。昔と変わらない、あのやりきれなさそうな笑顔。
 どうしてそんな顔するの? 何が悲しいの? その答えは、この二年半で分かってしまった。
 
「うん…わたし、も」

 好きだったよ。千早ちゃんは私の掌にキスをして、私の首筋に吸いついた。
 火照った肌に触れる、生温かい唾の感触。熱い舌先。私はきゅっと目をつむった。

 だって、こんなときの千早ちゃんはいつだって。

「大好き、春香」

 だから許して。瞳に見え隠れするその言葉は声になることはなく、私のそこに指が突き入れられた。
 待ち望んだ感覚に、私は嬌声を上げる。指先が動くたび、下腹のあたりが疼き、無意識のうちに腰が揺れる。

「あっ………あ!あッ!やぁ…ッ」
「はるか…まだ…ダメ…?」
「んぅ…ッ…ん…や…ッ……やめない、でぇ…ッ」

 浅い呼吸で彼女にねだる。つくづく、自分という人間が嫌になった。
 二年半という別離の時間すら、快楽の餌にして。未練を断ち切ることもできないまま、昔のように交わって。
 こうなることを望んでいたんでしょ?だったらいいじゃない。心の中のやましい部分が、そう私を嘲った。
 
 足を抱えられて、千早ちゃんの指先の動きがさらに激しくなる。
 親指で花芯をなじられて、脳裏に火花が飛んだ。喉から洩れる息はひゅうひゅう音を立てて、上手く息が出来ない。
 もう、限界だ。私は千早ちゃんの背中に手を伸ばして、すがりつくように肌に爪を立てた。

「ちはやちゃ…っ、ちは……ぁ…ッ」

 ねぇ、千早ちゃん。言葉にしたら簡単に口にできちゃいそうなのに、できないの。
 千早ちゃんのこと、大好きなのに。分かってるのに。伝えたいのに。
 どうしてなんだろうね。私、わからないよ。

 千早ちゃん、千早ちゃん。私は、――――

 伝えたかった言葉は結局口にすることはできないまま、私の意識は轟々と押し寄せる衝動に流されてしまった。





 <まさかまだ続くなんて思ってなかった>



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