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りつはるゆきちはSS書きました。

2009年12月06日 19:59

お久しぶりです。小六です。
土日はSSばかり書いています。リアル課題?これからやりますよ^^

今回はちょっとした実験作です。
何なの、りつはるゆきちはって?!僕も分かりません\(^о^)/

今回のSSは、つじあやの 「風になる」 をテーマのきっかけとして書いてみました。
ですので、いかがわしい成分は全く皆無です。僕は全くいかがわしい人間ではありません。
「爽やか」と「ある曲」をメインテーマにしてみました。律子さん視点。

こんな背景があったらいいなぁという妄想です。やたら長い妄想です。

それでは、以下SSとなります。

――――――――――――――――――――――――――


  律子さん、ここはこの言葉の方がいいと思うんですけど

    あー、だめだめ。それじゃストレートすぎるわ

  あのう…それだったらこういうのはどうでしょうか?

    …悪くないけれど、ちょっと遠回しね



  律子さんって、結構職人肌だよね。もっと気楽に作ってもいいのに。そう思わない、雪歩?

  ほぇ? ああ、うん、そうかもしれないね

    人が頑張っているのにいい御身分ね、春香

  あはは。だってもとはお遊びのつもりでしたから

    まあ、そうだったかもしれないわね

  そうですよ、もっと気楽に、楽しく、そんなものですよ。きっと

    わかった。じゃあ気楽に、楽しく、「集中して」、できるように、手伝ってくれないかしら?

  …はーい  ゆきほー、律子さんのためにお茶でも淹れてこよっか

  あ、うん。分かった。



私の周りで何やら話し込んでいた春香と雪歩は、今日のお菓子は何がいいかな~、とか言いながら、給湯室へ向かっていった。
そんな二人を見送った後、私は机に置いたメモ帳の言葉をもう一度見返す。



        ありふれた あいのうた




     ◆ ◆ Introduction ◆ ◆





ううん。私はこめかみをボールペンで軽く小突く。だからといっていい言葉が思い浮かぶはずはなく。
世間一般でいう勉強なるものはそこそこ得意だが、こういう歌詞の類は初めてだから、今いち要領がつかめない。
五線譜を動き回るおたまじゃくしを追いかけながら、そこに言葉という意味をくっつけてゆく。
ああでもない、こうでもないと浮かんでは消えていく言葉のきれはし。


「難航しているみたいね、律子」

背後から聞こえてきたのは千早の声。
その声には少し苦笑いが含まれていて、ある程度の状況は把握しているようだ。


「ああ、千早。慣れないことはするものじゃないわね」
「だけど、結構楽しいでしょう?」
「まぁ、それなりに、ね」


律子も素直じゃないわね、千早はそう言って机の上に置いてあったメモ帳を肩越しに見遣る。
歌に関しては千早の方が一枚も二枚も上手だ。ここは経験者のアドバイスでも頂いておこうか。


「千早はどう思う」
「…悪くはないと思うわよ。ただ…」
「ただ?」
「何と言ったらいいのかしら、誰のための歌なのかと思って。それがはっきりしていたら、もっといい言葉が浮かびそうな気がしたから」
「誰のための歌かぁー」



  そういえばどうしてこうなったのだろう


私はため息を一つついて、窓の外をぼんやりと見遣る。
窓の外にはふわふわと白い雲が浮かんでいて、太陽は雲の合間に隠れたり現れたりしながら、やわらかいハロウを空に広げている。
ああ、春だなぁ。階下の道路からは自動車が行き交う音が時折聞こえる。

私はそっと目を閉じる。





        おもいだせ こいのうた 




     ◆ ◆  Merody A  ◆ ◆





重いまぶたを開けると、窓の外にはいつもの風景。
バスの窓から見えるその風景はいつものスピードで流れていて、私はぼんやりとそれを眺める。
昼時の舗道からはまばらに人が歩いているのが見える。ぱたぱたと風にたなびいて揺れる食堂のノレン。
今日も平和な一日だなぁ。私は頬杖をつきながら流れゆく景色を眺める。

 ふと、その風景に目新しいものを発見して、私は思わずそれに釘付けになった。


  見慣れた制服と、その後ろ姿


春の陽気に誘われたのか、はたまた単に不注意だったのか。
その姿はどう見ても私が見知っている人の姿で。


  もしかすると、アイツかもしれない


気付けば私は降りる予定のバス停から二つ手前のバス停で降りていた。
仮に会ったとして、何を話すのかなんて考えていないけれど、まぁその辺は何とかなるだろう。


  久し振りね、元気にしてた?
  仕事に行く途中でちょっと見かけたものだから
  また勉強もせずに遊んでるの。少しは勉強したら?


思いつく言葉はどれも素直じゃない言葉ばかり。自分の歩調が若干小走りになっていることに気付く。
どうして素直に話せないかなぁ。私はふっと心の中で自嘲した。


その姿がようやく視界に入る。私はその男に向かって声をかけようと息を吸い込む。



結局のところ、その人は私が思っていた人とは全然違う人だった。
私は危うく恥をかきそうになった訳である。
まったく、どうしてこんなことしちゃったんだろう。私らしくもない。
素直じゃないにしろ、伝えたかった言葉は雑踏とともに消えた。



 
       とりもどせ きみのうた



    ◆ ◆  Merody B  ◆ ◆






「あぁもう!自分で思い返してイライラしてきた」
「確かに。律子らしくないわね」

千早は私の隣に座ってころころと楽しそうな笑みを浮かべた。

「だけど、律子らしくないけれど、律子らしいわ」
「はぁ?そんなわけあるわけないでしょ」
「どうだか」

相変わらず千早は笑ったまま。コーヒーの入ったマグカップに一つ口を付けて言葉を続ける。

「律子って意外とそういうところあると思うわよ」


 現実的でクールな女性っぽく見えて、実はとっても恥ずかしがり屋で乙女な子だったりとかね

 そんな言葉をさらりと私の前で呟くのだ


まったく、あながち間違えていないだけに反論のしようもない。
私は何を言うわけでもなく、メモ帳に書かれた言葉のかたまりを見返す。


「律子さーん、お茶淹れてきましたよー」
「ちょうど冷蔵庫にいいお茶菓子があったので、それも持ってきました」

ぼんやりと続く言葉を考えていると、春香と雪歩が給湯室から戻ってきた。

「ああ、ありがとう」
「頑張るのもいいですけど、息抜きも大切ですよ」


そう言って春香はお茶とお菓子の入ったお皿を一つ、私に手渡した。


「あ。千早ちゃんもいたんだ」
「いたわよ」
「千早ちゃんはお菓子いる?」
「あまり甘いのは好きじゃないから、遠慮しておくわ」
「えー、だけどあのときは」
「いただくわ」

春香の言葉を遮るように、千早は春香のお皿から一つお菓子を取った。
素直じゃないんだから。私が苦笑いすると、千早はむっとした顔をして私を睨みつけた。


「何よ」
「…別に何も」
「もう少し素直になってもいいのに」
「その言葉、そのまま貴方にお返しするわ」

「あのぅ…ケンカは良くないと思いまs」

 「雪歩は黙ってて」「萩原さんは黙ってて」

「うぅ…。こ、こんな私は穴掘って」
「ああ雪歩、大丈夫だから。二人ともそんなに怒っていないはずだから」

私と千早の言葉にたじたじになってしまった雪歩は、春香になだめられている。

「二人とも、怒ってないですよ、ね!」
「「…ええ」」

妙に迫力のある語尾に気圧されて、私と千早はこれまた同時に反応してしまった。
春香の言葉はたまに人を無条件に従わせてしまう時がある。
だからこそ、あの時私の耳に入ったのだろうけれど。
私は机に置いてあったボイスレコーダーの再生ボタンを押す。
ノイズの間から聞こえてきたのは春香の歌声。


  まさかあんなところで歌っているとは思いもしなかったのだ




       はしりだせ こいのうた




    ◆ ◆  Merody C  ◆ ◆






自分の勘違いにうんざりしながら事務所へ向かう道を歩く。

その途中の公園で、聞き覚えのある声がした。
この独特の音の外し方、かといって音痴というわけではなく、楽しそうに歌う声。
間違うはずがない。この歌声の主は彼女だ。

私はその声がする方へ向かう。
向かった先は、公園。そこには案の定私が予想していた声の主がいた。
公園にある屋根付きのテーブルをステージ代わりにして、路上ライブ。
ステージに立つ彼女は、とても楽しそうに歌を歌っていた。


「…何してるの、春香」

ありがとーありがとー、公園にいた子供とその連れの親御さんに挨拶をしていた春香に私は声をかけた。
私が声をかけてから数秒、春香はようやく私がいることに気付いて、すっとんきょうな声を出した。


「げぇっ!律子さん?!」
「『げぇっ』とは心外ね」
「いや、ほんの出来心といいますか、たまたま歌いたくなっただけでして…」

春香は私の追及から逃れるように視線を斜め上にやった。

「春香ちゃーん。今日の新作どうだったー?」


春香の視線の反対側から狙い澄ましたかのようなタイミングで、雪歩が公園にやってきた。
私はじろりと春香を見る。

「たまたま、ねぇ」
「…ええ、はい。たまにというか、定期的にやってます」
「帰ったら始末書書いてもらうわよ」

「…タイミング悪いよう、雪歩…」
「え?」


未だ状況がつかめないという雪歩と、がっくりと肩を落とす春香。
落ち込みたいのは私の方だ。私は大きくため息を吐く。

ことの次第はこうだ。



  詩を書くのが趣味の雪歩と、歌を歌うのが大好きな春香、歌が得意な千早。

  ある日、雪歩の詩を見て、春香はそれを歌いたくなった。
  それを千早に相談したら、千早が適当にその詩にメロディをつけた。
  これ幸いと春香は事務所の近くの公園で、その歌でライブを決行。
  それが意外にも好評で、春香が味をしめたのは言うまでもない。

  仮にも有名人なのだから、こういったことは事務所を通してもらいたい。

  まったくもって765プロには変人ばかりがそろったものである。
  そのくせ各人がそれぞれ才能があって、いいものが出来ているだけ、余計にタチが悪い。

  ああもう、頭が痛い。プロデューサーは何をやっているのやら。



とりあえず春香と雪歩(千早はこの場にいないので後で反省してもらうことにした)を正坐で座らせる。


「アンタ達ねぇ…仮にもアイドルなんだから、時と場所位わきまえなさいっての」
「…言い返す言葉もございません」
「うぅ…ごめんなさいぃ…」

ということで、形だけの説教タイムはおしまい。

「はいはい。じゃあ反省文のかわりにもう一度歌ってくれるかしら」
「「…はい?」」

私はニヤリと笑って胸ポケットからボイスレコーダーを取り出す。

「『はい?』じゃないわよ。さっきの歌、ちゃんとした歌にしてCDで出すつもりだから」
「「…え?」」
「だから、『え?』じゃない。さっさと歌う!」


春香と雪歩は互いに目配せした後、「ありがとう、律子さん」と言って、ステージの上で歌いだした。


  ありがとうを言いたいのは、私だ 


だけどそんなこと恥ずかしくて言えたものじゃない。
私は観客の子供に「ちょっと静かにしていてね」と優しくたしなめて、二人の歌を録音する作業に入った。

こんないい曲を勝手に作って勝手に終わらせるなんてもったいない。
そして、じわじわと湧き上がるこの気持ちに嘘なんてつけるはずがない。
先程までのジメジメとした気持ちはどこへやら。私は目の前の輝きに夢中になってしまったのだ。


  ふと、気付く

  ああ。きっと、春香も雪歩も、ここにはいない千早も、そんな気持ちだったのだろう
  とどのつまり、私達はそういう人間の集まりなのだから



気付けば私も二人の歌に合わせて歌を口ずさんでいた。




      うたいだせ あいのうた




    ◆ ◆  Bridge  ◆ ◆




パソコンからは春香の歌が流れている。ヘッドフォンから流れる音楽。
私はそれを聞き終え、もう一度液晶の中の再生ボタンをクリックする。


「…足りない」

目の前のパソコンは低い回転音をうならせてから、先程の歌のデータを落としたCDを私に出してきた。
紅茶の入ったマグカップを机に置いて、そのCDを眺めながら私はぼそりと呟く。

「何が?」
「…何かが」
「そんなに根詰めないで下さいね」
「うーん。後もうちょっとなんだけどなぁ…」


イスの背もたれに重心をかけてぐうっと背をそらす。届きそうで届かないもどかしさが喉を通る。
一見すると何もおかしくないのだ。春香と雪歩と千早のトリオ。爽やかさ溢れる曲調、何も問題はない。


  だけどこの違和感は何なのだろう

  何か一つ、足りないピースがある気がしてならないのだ


ううん、私は紅茶を口に含んで苦悶の息を漏らす。


「ねぇ、律子」
「あの、律子さん」
「あのう、律子さん」

周りにいた三人が、不思議に同時に私に話しかけ、思いもかけぬ答えを言ってのけた。

「律子も歌えばいいんじゃないかしら」
「律子さんが歌うともっと良くなると思うんですけど」
「律子さんの声が足りないかも、しれません」


「そうね、それもあるかもしれない…って、はぁ?!」


私としては3人に歌ってほしい曲だっただけに、その答えは私の想像の斜め上のものだった。
思わず声が裏返って口調が乱暴なものになってしまう。
その3人と言えば、ニヤニヤとしたり顔でこちらにその理由を続けた。


  だって、声からすると、律子の声が入った方が引き締まる感じがするし
  もともとこの曲をCDにしたいって言い出したの、律子さんですし
  ええと、歌詞も律子さんが付け加えた部分があるから、律子さんの声もあったらいいかもって


  まぁ、そんなことよりも



       律子(さん)が一番歌いたそうな顔していたから



どうだ、反論あるまい。3人が3人ともそんな顔だった。
はぁ、と大きなため息を吐いた後、私はうろんげな目で彼女たちを見遣った。


「…ねぇ、分かってて言わなかったでしょ」

「さぁ?どうでしょう?」
「春香ちゃん、目がののワってるよ」
「おっとっと。ついいつもの癖で」
「それで、どうするの律子。歌うの、それとも歌わないの?」

「千早にしては愚問ね」

私は手早くパソコンの電源を切り、勢いよく席を立った。
忘れてなどいない。私はプロデューサーである前に、3人の友人である前に、一人のアイドルなのだ。
アイドルがするべきことは何か。そんなこと決まっている。


「レコーディングするわよ。もちろん私込みで」


そこから先は早かった。
レコーディングした私の声を既にとってあった3人の声に合わせて、後は微調整。
このあたりはプロデューサーがやってくれるだろう。なんだかんだいって有能なプロデューサーだから。
私達に出来ることは、歌を歌ってそれをプロデューサーにアピールすること位だ。

自分で言うのもなんだが、結構いいできなんじゃないかな、と思う。



それにしても、春香の悪ふざけは止めてほしい。

「キラキラの笑顔で☆」って、歌唱指導に何の関係もないじゃない。
それを止めようともしない2人も2人だ。
私が窓の向こうの3人を睨みつけると、悪びれた様子もなく3人は私に手を振っていた。


まったくもって一癖も二癖もあるヤツらばっかりだ。思わず口が緩む。


そうしているうちにイントロが流れ出す。私は大きく息を吸った。





         とどけ ぼくらのうた




    ◆ ◆  Secret Track  ◆ ◆





「ただいま帰りましたー」
「あら、プロデューサーさん。お疲れ様です」

「他のみんなは…帰ったみたいですね」
「ええ、もう時間が時間ですし。ああそう、律子ちゃんがプロデューサーさんに渡したいものがあるって」

小鳥さんはそう言って何やら文字が書かれたCDと、走り書きのメモ帳を差し出した。
メモ帳には、何やら歌詞のような文字のほかに、消しゴムで消された文字がうっすらと残っている。

「んんん? 『To K / あの鈍感ヤロウに捧ぐ恋の歌』 …なんだこれ?」
「さぁ?消されているはずのものですから、大した意味はないのかもしれませんけどね」

小鳥さんは含み笑いをしながらそう答えた。


「ええと、それはさておきCDだな。ええと、タイトルは…」















    ――――――――― Shiny Smile ―――――――――

  

















なんとなく実験作。リッチャンハスナオジャナイデスヨ ハルカサンハオンチジャナイデスヨ


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