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1時間SS書きました

2009年12月10日 20:00

とりあえず落とす。時間がない。

りつちはSSを1時間で書いてみたよ!

以下、SSとなります。


近づく唇。触れ合う吐息。

窓の外から西日が射し込む。その赤に目がくらみそうになる。
時計の針は夕方を刻んでいた。



「ねぇ、律子」
「何?」
「目、つむってくれない?」




  ―――――――― 暁の一瞬 ――――――――




「はぁ?」
「いや、その、なんというか、恥ずかしくて」

目の前の彼女はいつもと違い、その口調をもごもごと濁らせて私にそう話しかけた。

「いつものことじゃない」

私がそう言うと、千早は不機嫌な顔になって私から身体を離した。
既に電源が落とされたパソコンの画面。そこに夕日が反射して、私は思わず眉をひそめる。

「…いつものことだから言ったのよ」

千早はどうやらその気をなくしたらしく、ソファに置いていた鞄から携帯を取り出し、自宅に電話をかける。

「ちょっと、どういうことよ」
「ただ、したくなくなっただけ」


ぶっきらぼうにそう答えて、千早はその視線を私から手元の携帯の画面に移した。
もともと素直ではないとはいえ、この仕打ちはない。誘った手前、こちらにも面子がある。
私は千早が携帯の通話ボタンを押す前に、千早から携帯を取り上げた。


   瞬間 交差する視線

その瞳は敵意ともとれるような鋭い色が見えた。


「どうして今更」

私から携帯を取り上げられた千早は、ナイフのようにぎらりとした目つきのまま、私を睨みつける。

「それ位分かってよ」

なげやりな口調。それにつられて私の口調も荒いものになってくる。

「分からないから聞いてるのよ」
「だから分かってと言っているの」
「分かってと言われても、分からないからそう言ってるの」

ぐっと言葉に詰まる千早。その右手は行く場を失った怒りにわなわなと震えていた。
まるで駄々をこねる幼子のようだ。はぁ、私はため息を吐く。

どうやら、どうしても私が自分で理解しなければいけないことらしい。
心を蝕み始めたやるせない怒りを精一杯抑え込んで、私はその理由を探す。

窓からは相変わらず西日が差しこんでいて、向かい側のビルからはその紅い影がちらちらと揺れていた。

じわじわと階下に沈む夕日。私はぼんやりとその風景を眺める。
もう時間が時間である。向かい側のビルからは仕事を終えたサラリーマンが帰宅の準備をしている。

ふと、その窓の下を見遣る。小奇麗な応接室に男女が二人。


   ふーん。そういうこと


私は千早の方に視線を戻す。彼女は相変わらず不機嫌な顔をしてこちらを見つめている。
今度は目を逸らすつもりはない。私はその鋭い視線を受け入れるように彼女を見つめ返した。


「…ばか」

私は苦笑する。

「年上なんだから それ位のワガママ位してもいいでしょ?」

そのまま千早の手を取って、彼女の身体を引き寄せた。
そして、聞こえるか聞こえないか位の声で私は彼女の耳元で囁く。


   私だって、恥ずかしいんだから


目を瞑って彼女の唇を探す。千早は抵抗することなく、私の動きに応じた。
すべやかな肌、上気して火照った身体の熱、くすぐったい鼻息。そのどれもがこそばゆくて。


   ああ、まるでファーストキスみたいだ


ようやく唇を探し当てる。瞼の上から感じるのは、紅い光と彼女の姿。
私はそれを頭に焼き付けるようにして彼女に口づけをする。

あたたかい感触が脳髄を痺れさせる。
私はゆっくりと身体を離しながら瞳を開けた。

視界に映ったのは、彼女の紅潮した顔。
相変わらずふてくされているけれど、その表情はどこか嬉しそうで。


「これでいいんでしょう?」
「…ばか」

今度は千早が苦笑する番だった。私もつられて笑みをこぼす。




   まったく 素直じゃないんだから



熱く火照って仕方がない。きっと夕焼けが綺麗すぎたせいだ。

私はもう一度彼女を引き寄せた。












オワッタ


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