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はるちはSS書きました。

2009年12月27日 20:04

お久し振りです。小六です。
ここ最近はとてもピュアなSSばかり書いているのに、
僕のイメージがいかがわしい人というのはどういうことなのでしょうか。くやしいですっ!!

島原薫様主催の企画『性夜m@ster』に遅ればせながら参加しようと思って書いたSSであります。
お題は『言霊』となります。

というわけで、久し振りにいかがわしいSSを書きました。はるちはで。

【追記】 千早好きの絵師様の筆頭であり、ニコマスPでもあるスフキP様からイラストを頂きました。
      本当に、本当に、本当に、ありがとうございました!

以下、SSとなります。いかがわしい成分が含まれておりますのでご注意下さい。

  いち、にい、さん。ステップしてターン
  鼓動のリズムに身体を合わせて、アン、ドゥ、トワレ

  足を右へ。手は左へ。絡まる吐息に欲情をのせて
  耳に残るいやらしい音。足の動きとシーツの衣擦れ


「好きだよ…好き、大好き」


 まるで許しを乞うかのような言葉。
 春香は私の膝の上で踊る。なめらかな動き。私は彼女の動きに合わせて膝を揺らす。
 こぼれ落ちる声。身体の芯が熱くなる。もっと彼女の甘い声を、震える身体を、気を失うまで見ていたい。
 リズムよく揺れる彼女の肢体。柔らかな花弁から涙が音もなく流れ落ちた。

   だけど何故だろう。見れば見るほど何か醒めてゆく気がするのは


「ちはや、ちゃ…も、だめ…」
「もうおしまい?」

 息もたえだえに私の名前を呼ぶ春香。その姿を見て思わず嗜虐的な嗤いが漏れた。

 細い首に両腕を回して、そのまま彼女に深く口づける。
 呂律の回らない舌の動きはどこか子供っぽくて、私はそれを弄ぶように彼女の咥内を這い回った。
 吐息が私の鼻腔を抜ける。その匂いは私の脳髄をひどく痺れさせるもので。柔らかな肉が震えた。

   あぁ、今宵はこれでおしまいだ


 私はためらいもなく膝を彼女に強く擦り付ける。
 あけすけもない嬌声を上げた彼女は、そのままぐったりと私の身体に崩れ落ちた。
 

「好きよ、好き、大好き」

 脱力して私の肩に埋められた彼女の頭。
 私は彼女の髪を梳いて、もはや意識を失っているであろう春香に語りかける。

「愛してる。春香」

 はらりと指先から流れ落ちる亜麻色の髪。私は強く彼女の身体を抱きしめた。
 好きという言葉を何度繰り返しても、いわゆる破廉恥なダンスを何度踊っても、いつか彼女が自分から離れていってしまう気がして

   神様、彼女を永遠に私の下に繋ぎとめておく鎖はどこにあるのでしょうか


 鎖の在り処など全く見当がつかなくて、私は何度も彼女の名前を呼んだ。届かない愛の言葉。

   お前に全うな幸せが掴めると思っているのか      
   大切なものほど、見ていないくせに          

   僕のことが大切なら、どうして助けてくれなかったの? 


      ちがう、ちがう、そうじゃない。そんなはずじゃなかった


 自らの思考から逃げ出すように私は布団をかぶる。だけど彼らの声は私を見逃してくれなくて。
 脳に響く幻聴と、時計の音と、春香の寝息。私の心を苛ませる小夜曲。


「愛してるのよ。春香」






      ―――― I wish tell you ――――






「千早ちゃん?」

 隣から春香の声が聞こえる。浅い眠りだった。ぼんやりと私はその瞳を開く。
 視界の先には春香がいて。なぜだろう、彼女は悲しそうな顔をして私を見つめていた。
 彼女の指が私の目尻に触れる。頬を伝うその冷たさと温かさに、自分が泣いていたことに気付く。

 
「悲しそうな顔、してたから」

 つい名前を呼んじゃった。彼女はそう言って静かに笑う。
 その瞳はとてもまっすぐで。私の心の全てが見透かされたのではないかと思って身震いがした。

「なんでもないわ」

 本当は何でもないわけないのに。私は彼女の鎖骨にキスをした。そのまま舌で肌をなぞり上げる。
 彼女も分かっているはずなのに。春香は私のハリボテの愛撫を優しく受け止めてくれた。

 もっと責めてくれてもいいのに。こみ上げる衝動のまま、私は彼女の身体を抱き締める。
 むわりとシーツの中から立ち上る背徳的な匂い。
 その匂いを嗅ぐといてもたってもいられなくて、私は自分の指を彼女のそれに絡めた。
 

   好きなのか それともただ夢中に彼女をむさぼっているだけなのか
   何度も繰り返される自問自答 私はちゃんと周りが見えているのだろうか

   何もかもが 段々分からなくなる



 頭の中で声がする。低い男の声。
 

   本当に好きなのか? 
   相手が自分のことを好いてくれているだけだろう?
   その女自体が好きなわけじゃないんだろう?
   お前は一人になりたくないだけなんじゃないか?

   ああ、お前に抱かれる女は可哀そうだ



     うるさい うるさい うるさい



 私はその声から逃れるようにシーツの中に潜り込んだ。饐えた匂いが強くなる。
 酒に溺れるかように、私は春香の花輪の海に埋没した。シーツ越しに聞こえる彼女の嬌声。
 そのあふれ出る水は枯れることを知らなくて、私は犬のように蜜を舐め、乾きを癒そうとやっきになる。


「ちはやちゃ…!やめっ…!!」

 春香の苦悶の声。だけど止めることなど出来るはずがない。好きで、大好きで。絶対に離したくない。
 彼女が私から離れて行ってしまうなら、いっそ彼女の全てを私という存在で塗り潰してしまいたい。


「も…ちょっ!!止めて!!」


 明らかな拒絶。私ははっとして彼女から身体を離した。
 嫌われてしまったのだろうか。急速に頭から血が引いていくように感じる。
 もぞもぞとシーツから這い出すと、そこには不機嫌な顔をした春香が待ち構えていた。


「…はるか」
「千早ちゃん。何か言うことあるでしょ」
「あ…その、ごめんなさい」
「違う」

 そう言って春香は私の唇にキスをした。いやらしさなど微塵もない、軽いバードキス。
 軽く音を鳴らして、彼女は私から離れる。

「千早ちゃん…何かあったの?」
「…別に何も」
「嘘だね」
「何もないわ」
「嘘」

 何のためらいもなく私の言葉を否定する彼女。
 それが間違えているはずはなくて、私は何故か苛立ちを覚える。
 私は何かから逃げるように、ベッドから抜け出す。抜けだそうとした。
 抜け出せなかったのは、私の手首を彼女が掴んだからだ。思いの外強く握られたことに驚く。


「ねぇ、何があったの?教えてよ」
「だから何もないわ」
「隠し事をしてること位は分かるよ」
「教えたところで、貴方は解決できるの?」
「解決は出来ないかもしれないけれど、知りたい」


 だから教えて。そう言いたげな眼差し。
 そんなに優しくしないで。貴方は優しすぎる。優しすぎてその優しさに依存してしまう。

 ああ、だめだ。いけない。彼女は私といてはダメなのだ。私といては彼女がダメになってしまう。
 私は彼女の手を無造作に振り解き、ふらりと立ち上がった。


「千早ちゃん…?」
「…もう、別れましょう。私達、きっとこのままではダメになるわ」

 彼女に背を向けたまま、私は脱ぎ散らかした服をつまみ上げて軽くはおる。
 後ろから彼女がベッドから起き出してきたのが分かる。それでも私は彼女の方を見ない。
 彼女のことだ。きっと泣いて絆を保とうとするのだろう。あなたは優しすぎる。


「千早ちゃんのバカ!分からずや!!」

 普段は怒ることなんてめったにない彼女だが、こういうことに関しては過剰に反応する。
 それを知っているからこそ、私は平静を保つように努めようとする。苦しい。

「分からずやは貴方の方よ」
「別れるなら、もっとそれらしい理由を言ってよ!」
「それ位分かってよ!春香のバカ!」

 あぁ、頭が痛い。ぐらぐらする。イライラする。
 苛立ちに比例して語調が強くなってしまう。

「私は…もう、貴方のことが好きかすら、分からないんだから!」
「だから何よ!私は千早ちゃんのことが大好きだよ!」
「好きって何よ!ただの言葉じゃない!」


 自分の肩に手が置かれたと思ったら、急に彼女の方へ振り向かされる。
 言葉を紡ぐ間なんてなかった。春香は私に口づけた。深く深く、その想いを舌先で伝えるように。
 いつになく積極的な口付けに私は及び腰になってしまう。
 身体を離そうと両手で彼女の身体を押し返そうとするが、腰に回された彼女の腕がそうさせてくれない。

 おびえる舌先を追いかけるように彼女の舌が伸びてくる。
 逃げ場を失った私は、そのまま彼女の舌の動きに従うしかない。優しく包み込まれるように絡まされるそれに、胸が高鳴る。
 温かくなった歯の裏をぬるりと舐め上げられる。
 私はどうしようもなくて、目を瞑って、ただただその行為の終わりを待つことにした。
 

201001_04_38_e0196538_0221543.jpg



 一体どれほどの時間、彼女とキスをしていたのだろうか。彼女はようやく私を解放してくれた。 
 口元から垂れる銀糸をぼんやり眺めていると、春香はゆっくりと話し始めた。


「私は…千早ちゃんのこと、大好きだよ」
「好きって何よ…ただの、ただの言葉じゃない…」
「そうだよ。ただの言葉だよ」 
「…え?」
「好きって言葉、何度も言ってみたらいいよ」

  すき、すき、すき、すきすきすき、きす?

 春香は私の額にキスをした。きっと最後に「きす」で終わらせたからだ。彼女は苦笑いした。


「どうせ言葉なんて、単なる音の組み合わせ」

 だけどね。春香は言葉を続けた。


  私は千早ちゃんに触れたいと思う
  一緒にいると、どきどきする
  千早ちゃんが困っている顔を見ると、カワイイなって思っちゃう。あ、笑った顔もカワイイよ?
  ちょっと堅っ苦しいけれど、そんな真面目なところが良いところだと思う

  千早ちゃんの事を想うと、どうしたらいいか分からなくなる


「もっと色々あるけれど、これが私の『好き』だよ。千早ちゃんに向けるたった一つの『好き』」


  うーん、難しいな。千早ちゃん、分かる?


「…ばか。分からない」
「それならさ、分かるまで話してあげるよ。千早ちゃんが分かるまで、ね。ずっと、ずっと、ずっと」

「いつまでかかるか分からないのに?」
「千早ちゃんなら、きっと分かってくれると思う。私はそう思ってる」
「勘違いも甚だしいわね」

「えへへ、だって私、千早ちゃんのことが大好きだから。千早ちゃんは私のこと好き?」


  あれだけ酷い仕打ちをされたのに。あれだけ拒絶の言葉をぶちまけたのに。彼女は笑う。
  私はがくりと膝をついた。春香も私の目線に合わせて座り込む。

  嗚呼、嗚呼。どうして彼女はこうも簡単に私の垣根を越えてしまうのだろう。


「私は春香が笑うところを見ると、心があたたかくなる」


  笑顔も泣き顔も、その全てを私だけに向けて欲しいと願ってしまう
  おっちょこちょいなくせに、いつだって前向きなところを尊敬してる
  貴方の寝顔はとてもかわいくて、鼻先に噛みついて困らせたくなる


「うん、うん」

  春香は崩れ落ちた私の身体を優しく抱きしめて、私の背中をあやすように叩いた。
  

    そうか。私の幻聴は、その幻聴の主は


「…私は、春香の傍に、ずっといたいと思ってる…!」


    自分の抱く気持ちに、ずっとずっと自信がなかったのね
    大切な人が、自分のせいでいなくなってしまうと、ずっと不安に思ってたのね

    今なら分かる。貴方達の気持ち
    ただただ不安で、不安でどうしようもなくて、諦めて
    自分から離れてその恐ろしさに立ち向かおうとしなかった

    同じ血が流れてる者同士、卑屈で臆病な自分自身を呪っていたのね
    

    だからこそ だからこそ 愛しい


「春香…あなたと会えて…本当に、よかった…」

 顔を上げると春香と目が逢った。春香の目は泣き腫らした後なのか真っ赤で、でもひどく優しくて。
 
「…うん。私も、千早ちゃんと会えてよかった」

 泣かないよ、泣いたらカッコ悪いもん。そう照れ笑いして春香はもう一度私を抱き締めた。
 髪の匂い、汗の匂い、その全てが私の心を穏やかにさせる。


「春香」
「うん?」
「…何でもないわ」
「もっと甘えたっていいのに。甘える千早ちゃん、かわいくて大好きだよ」
「…ばか。恥ずかしい」

 自分の顔を見られるのが恥ずかしくて、私は彼女の肩に顔を埋めた。
 春香が私の髪の毛をゆっくりと梳いているのが分かる。リズムよく叩かれる彼女の心拍。
 

「えへへ、千早ちゃん」
「何?」

「名前、呼んで。私の名前」
「春香?」
「うん。もいっかい」
「春香」
「えへへ」
「何よ、気持ち悪いわね」
「あー!ひどいんだー」

 がばっと身体を離して、彼女は私の顔を覗き込む。『今私は怒っているんだぞ』そう言わんばかりの顔つきで。
 だけどどう見てもそれは可愛いとしか言えない表情で、私は思わず笑ってしまった。


「ねぇ、春香」
「何?」
「私の名前、呼んでくれる?」

 少しの間思案した後、ぶーたれていた春香はその表情を崩し、眩しい位の笑顔で応えた。


「大好きだよ。千早ちゃん。愛してる」


 彼女が私を見て、私の名前を呼んでくれる。ただそれだけで、心がカッと熱くなった。 


「ねぇ、春香」
「何?もう名前を呼ぶのはナシだよ」
「愛してる」
「うん、分かってる」




  ◆ ◆ ◆ ◆ ◆




「おはようございまーす」「おはようございます」
「おっ。二人とも、同時出勤とは仲がいいな」

 泣いても笑っても一日には終わりがあるわけで、私達は否が応でも事務所に出なくてはいけないわけで。


「そりゃまあ、付き合い長いですから」
「しかも二人とも目が真っ赤じゃないか。一体どうした?」

 こういう指摘がされることも大方予想済みで。


「えへへ。いわゆる若気の至りというヤツですよ、プロデューサーさん!」
「…はぁ。まぁ、お前らが納得したなら、それでいいや」

 仕事さえしてくれりゃあ俺は何も文句言わないよ。そう言ってプロデューサーはパソコンでの作業に戻った。

「ね?朝のプロデューサーさんって、結構適当なんだよ」
「そうだといいけれど」
「聞こえてるぞ、春香」
「な、なにも、言ってないですよー」

 泣いても笑っても一日が始まるわけで。私達が何をしようとも大方の人間にとっての一日には何も変わりはないのだ。

「ねぇ、春香」

 私はプロデューサーに何とか弁明を続ける春香に声をかけた。
 それに気付いた春香は何事かとこちらに振り向く。

「なに?千早ちゃん」
「寝ぐせついてるわよ」
「…ん?そんなについてたっけ?」
「鏡を見て確認してくるといいわ」
「分かった。アイドルが寝ぐせなんて、カッコ悪いもんね」

 そう言って春香は鞄から鏡を取り出して自身の髪型を確認し始めた。
 実は、彼女に寝ぐせがついているというのは、真っ赤な嘘だ。
 じゃあ何でそんなこと言ったかって?そんなの決まってる。


   ただ私は、彼女の名前を呼びたかった

   それだけ












はるちはが僕の中で神聖化されすぎてSS化するのがつらいです^p^


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