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3時間SS書きました

2010年03月20日 01:21

お久し振りです。小六です。
今回は1時間SSに参加するぞー!と張り切ったのはいいものの、見事に遅刻。しかも2時間。
企画主のcoroさんには申し訳がつかないです・・・orz
ストーリーを練る力、ほしいです。切実に。

使用したお題:「対峙」
以下、SSとなります。

 ――――――――――――――――――――――――――――――――




「あーもう、やっかいなことになったわね……」

 律子さんは腕組みをしながら週刊誌を眺めている。いわゆる芸能週刊誌と呼ばれるもの。所在なさげに指はリズムをとっていた。
 お茶でも飲んで落ち着いて下さい。そう言おうとしたけれど、律子さんの顔を見て止めた。
 こんなしかめっ面をしているときにそんなこと言ったら、間違いなく怒鳴られる。
 怒鳴られなかったとしても、悩みの相談に付き合わされることになることは間違いない。困った私は隣にいる真ちゃんに目配せした。
 私の視線に気づいたのか、真ちゃんは律子さんに話しかけた。

「まぁまぁ律子。何があったのかは分からないけどさ、思い詰めるのはよくないよ」
 真ちゃんの声に気付いたのか、律子さんは胡乱げな目つきで私達を見遣る。真ちゃんは苦笑いした。
「雪歩だって怖がってるし」

 視線の焦点が私に向けられる。その剣幕に私は思わず真ちゃんの背中に隠れた。
 そんな私の姿に、律子さんは一瞬ぽかんとして、少し表情を和らげる。

「あー、ごめん。ついつい。悪気なないのよ、悪気は」
 そう言って眺めていた雑誌を私達に見せた。

「怒るべきは、コイツなのよ」
 私達はその紙を眺めて絶句した。

「星井美希、真夜中密会デート?!」

 ……つまりは、そういうことである。



  ―――― 白昼の死角 ――――



 よくよく雑誌の写真を眺めてみると、真夜中の道路に車が一台。旅館風の建物の外、見慣れた車に座る二人。
 私はその写真が撮られていたことに驚きを隠せない。
 そんな私をよそに、二人は食い入るように写真を見つめている。

「この後姿、背丈、どうみてもプロデューサーだよ」
「真もそう思う?」

 律子さんはパソコンを操作して、プロデューサーのタイムスケジュールを二人に見せた。
 どうして律子さんがプロデューサーの予定を把握しているのだろうという疑問が生まれたけれど、それはなかったことにしておく。
 そのデータによるとプロデューサーが写真が撮られたであろう時間帯に仕事が入っていないことは分かった。美希ちゃんも。

「プロデューサー……僕という恋人がいながら……」
「プロデューサー……私という恋人がいながら……」

 言葉はほぼ同時。そしてお互いの言葉に気付いたのもほぼ同時。

「律子…それってどういうこと」
「こっちこそ聞きたいわ。どういうことなの、真」
「あ、あのう…」

 二人の間にのっぴきならない空気が流れだす。二人とも私のことなど眼中に入っていない。
 先程にこやかに律子さんに話していた真ちゃんはどこにいるのだろうか。まるで龍虎の間の鼠のような気持ちだ。
 とりあえずプロデューサーは3日間位は事務所に来ない方がいいんじゃないかな。

「プロデューサーは言ったよ、『俺のお姫様はお前だけだ』って。キスだってしてる」
「あら奇遇ね。私も同じ台詞を言われたわ。キス位で調子に乗ってるんじゃないわよ」
「なんだと……」

 二人の感じからして、たぶん二人ともプロデューサーとの付き合いはA以下だ。いや、そういうことはこの際どうだっていい。
 問題は美希の隣にいる男が誰だということ。
 これまで二人の言い争いを傍観することになったが、私だって無関係というわけではない。

「あのう…実は……」 二人の会話に何とかして入ろうとすると、
「「雪歩は黙ってて!!」」 お決まりの反応が返ってきた。
「はい……」

 そう言われてしまってはどうしようもない。私は再び蚊帳の外に追い出された。

「前々から女癖が悪いとは思っていたけれど、まさかこんなことになるとはね……」
「明日にでも問い詰めないといけないわね……もちろん美希にも」

 あぁ、こうなってしまってはどうすることもできない。
 蚊帳の外、私は険悪な雰囲気で睨み合う二人の会話の先をおろおろと眺めていた。

「「それはともかく。ちょっと話がしたいんだけど、いい?」」

 二人とも顔は笑っているけれど、口元がひくひくと引きつっている。
 これが修羅場というヤツなのだろう。あながち気持ちが分からないでもないから、私は二人を刺激しないよう、二人会話を背に私は給湯室へ向かった。とりあえずお茶でも飲んで落ち着こう。
 給湯室でお茶を淹れながら、私は大きくため息をついた。
 

   真ちゃん、律子さん。その男の人、プロデューサーじゃないの
   その男の人は私の家のお弟子さんで、その旅館じみた建物は私の家なの


 たったこれだけの言葉がどうして言えないんだろうと我ながら情けなくなる。もう一度ため息。
 思い詰めても仕方ない。こういう時はお茶でも飲んで落ち着くに限る。
 先程までいた部屋から、二人の声が聞こえる。どんな声だったかは言葉に出したくない。
 恋に狂うとはこういうことを言うのだろう。いや、恋というもの自体が狂気なのかもしれないけれど。

 明日の朝に美希ちゃんとプロデューサーさんが二人に問い詰められる様子が簡単に想像できた。
 想像して、ちょっと苦笑い。プロデューサーさんには悪いことしちゃったかな。


 まぁ、昨日は美希ちゃんがかわいかったからよしとしよう。








 おしまい


コメント

  1. 猫子P | URL | adfqeXbU

    雪歩可愛いよ雪歩

    ごきげんよう、頭の悪い感想文に定評のある猫子です。
    いやー、今回は笑った!笑わせていただきました!
    深夜なのに声出して笑いました。これはいいコメディ(笑)
    うちの嫁がふたまた掛けられてる件については
    とりあえずプロデューサーを殴らせていただければ充分です。ええ(笑)

    最後に「言えよ!」とツッコミました。こういう話を書いてみたいものです。
    小六さんの文章構成力マジ最高です!甘いのしか書けない私にとっては憧れの的!
    これからもひっそりこっそり応援してますので頑張って下さいね☆
    きっとはるかさん(三歳)も応援してると思います(キリッ

  2. ピヨ談 | URL | -

    二股はいけません二股は!
    三股以上じゃなくて良かったです。
    雪歩が言えなかったセリフを言ったところで、問題が解決できそうもないですねw

    とりあえず、ラスト一行ににやりとしました。
    オチとしても面白かったです。こんなシチュ、雪歩ならあり得ますからねw
    twitterでも呟かれてましたけど、コメディって難しいですよね・・・。
    素敵なSSでした、お疲れ様でした!

  3. coro | URL | -

    雪歩は昨日美希と何を…!?という妄想が止まりません、小六先生><
    まぁ、それは置いておくとして。
    「たぶん二人ともプロデューサーとの付き合いはA以下だ。」とか考える雪歩とかがなんだか新鮮で面白かったですね、全体的には弱々しいのにどこかワルかったりする感じでw
    遅刻とか時間オーバーとかは気にしないでね、自分がやる限りはまず書ききることが大事いう趣旨なので^^
    楽しいSSをありがとうございました!
    ご参加ありがとうございました、おつかれさまでした。
    また次回もご参加いただけるとうれしいで^^

  4. 小六 | URL | -

    コメントありがとうございます!

    返信が遅れてしまい、申し訳ございません。小六は皆様のやさしさで出来ております。
    本当にありがとうございます!

    ≫猫子P様

    >いやー、今回は笑った!笑わせていただきました!
    >深夜なのに声出して笑いました。これはいいコメディ(笑)

     とりあえず律子vs真を傍観する雪歩と美希という関係性を書いてみようと思って書いたSSだったりします。
     書いた本人としては、あまりコメディを意識して書いたつもりはないのですが、結果としてコメディになったという。
     なんといえばいいのでしょうか。アメリカのテレビドラマのラブアフェアみたいな雰囲気が出ていればなぁ…とw


    >うちの嫁がふたまた掛けられてる件については
    >とりあえずプロデューサーを殴らせていただければ充分です。ええ(笑)

     僕が書くPはアイドルなら節操無しに手を出すロクデナシになることが多いです。アイドルへの愛はあるらしいです。
     仕事に支障をきたすということですので、Pの代わりに僕が殴られておこうと思います。ごほうびですありがとうございます。


    >最後に「言えよ!」とツッコミました。こういう話を書いてみたいものです。
    >小六さんの文章構成力マジ最高です!甘いのしか書けない私にとっては憧れの的!

     雪歩さんって、引っ込み思案で、だけどちょっとずる賢くて大胆、そんな女の子なのかなぁ…と思っております。
     そんな僕が書いた雪歩さんなので、おそらくバレるまでは言わないでしょうね。言ったとしても、何らかの計算があっての行動だと思います。
     恐れ多いお言葉ありがとうございます。心を惹きつけるシチュエーションが浮かばない人間の苦肉の策だと思って頂ければ嬉しいです。


    >これからもひっそりこっそり応援してますので頑張って下さいね☆
    >きっとはるかさん(三歳)も応援してると思います(キリッ

     ありがとうございます!地下道の鼠のように、正午の昼行燈のように、こっそりひっそり誰得SSを書いていこうと思います。
     さんさいじはるかさんに応援されたなら、頑張らざるをえないですね!がんばりましゅ!(キリッ


    ≫ピヨ談様

    >三股以上じゃなくて良かったです。

     ええもう本当に。これで雪歩さんにまで手を出していたら、それこそ命の危険がありますからww
     アイマスのPって、なんといいますか所謂ギャルゲの主人公然としたキャラなのかなぁ…と思っております。
     とりあえずアイマス2では各アイドルに一人ずつPをつけるようなシステムを作った方がいいのかもしれませんとかなんとか。

    >雪歩が言えなかったセリフを言ったところで、問題が解決できそうもないですねw

     むしろ状況がさらにややこしくなってしまいそうです。火に油を注ぐどころの話じゃなくなること必至だと思いますww
     今回使用したお題は「対峙」ですが、ストーリーテラーである人物が何かに対峙するのではなく、
     何かの対峙を見ているという構図が書きたいと思って書いたSSでした。
     だからこそ、ずっと傍観者の位置を変えない雪歩さん。あざといですw


    >とりあえず、ラスト一行ににやりとしました。
    >オチとしても面白かったです。こんなシチュ、雪歩ならあり得ますからねw

     雪歩さんっていい意味でも悪い意味でも自分のテリトリーを知っている人なのではないのかな、そんなことを最近考えております。
     自分の領域外のことには消極的な態度だけれど、自分の領域内のことについてはびっくりする位にアグレッシブ。そんな女の子なのかな、と。
     最後の独白は読み手の方にニヤリとしてもらえるかな、と思いながら書きましたので、そう評して頂いてほっとしております。


    >twitterでも呟かれてましたけど、コメディって難しいですよね・・・。

     コメディ、本当に難しいです。どの辺りが面白いのか、それを計算しながら書くというのは文章表現の本質につながるのかもしれません。
     間であったり、どんでん返しであったり、天丼であったり、お約束であったり、コメディの技法も勉強していきたいです。
     人を怒らせるのは簡単ですが、人を笑わせるのは本当に難しい。動物学上はどちらも同じ原点にあるのに、本当に興味深いです。



    ≫coro様

    >雪歩は昨日美希と何を…!?という妄想が止まりません、小六先生><

     お 察 し 下 さ い 。
     いやん恥ずかしいっ///  ピュアピュアハートの僕には言葉に出来ません。いやーん!
     こういう裏を勘繰りたくなる表現、練習したいですね。実はcoro様リスペクトだったりします。


    >「たぶん二人ともプロデューサーとの付き合いはA以下だ。」とか考える雪歩とかがなんだか新鮮で面白かったですね、
    >全体的には弱々しいのにどこかワルかったりする感じでw

     色んな界隈で言われていることですが、雪歩さんは意外にそういうことに詳しい女の子なのではないかなぁ…と。
     ラストの独白と合わせると、さらにお楽しみ頂けると思いますww 傍観者然とした雪歩さんを書こうとしたら何故かこうなりました\(^о^)/
     Aerosmith の名曲"Rats In The Cellar(地下室のドブネズミ)"ではありませんが、狡猾でたくましい雪歩さんも素敵ですよね!
     ん?こんな時間に誰かに呼ばれたので、少し失礼致しますね。アッー!


    >遅刻とか時間オーバーとかは気にしないでね、自分がやる限りはまず書ききることが大事いう趣旨なので^^
    >楽しいSSをありがとうございました!

     いやもう本当に申し訳ないです。coro先生の寛大な心に感謝してもしきれません。
     1時間SSは本当にいい勉強になりますので、遅刻が多いかもしれませんが、これからもこっそり参加させて頂きますね!
     企画ありがとうございます&おつかれさまです!

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