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1時間SS書きました

2010年04月03日 14:02

お久しぶりです。小六です。
今日は春香さんの誕生日ですね。おめでとうございます。
というわけで、1時間SS書きました。

【お題】「一撃」「決裂」「遅刻」「曇天」
今回は「一撃」を使用させて頂きました。

【追記】 な、なんと!美麗な絵と繊細な文で視聴者を唸らせる1002要注目Pさんの一人、なかなP様から挿絵を頂きました!
      イラストはSS中に掲載させて頂いております。本当にありがとうございました!

以下、SSとなります。
 この世の中はイコールをつけられるものとつけられないもので出来ているらしい。
 ためしに思いついた言葉を適当にノートに書いて、それを=でつなげてみる。

 1+1=2
 今日の午後24時=明日の午前0時
 目玉焼きの卵=にわとりの卵

 あなたは私の友達、あの人はあなたの友達、あの人は私と友達。
 じゃあ、真美と亜美はイコールでつなげられるのかな。私はノートに「真美=亜美」と書く。どこか不自然。
 しばらく考えた後、私は世界をつなぐ二重線にななめ線を入れた。

 真美は、亜美じゃない。
 こうして世界は何もなかったように保たれる。



 =/≠ (二重線とストローク) 



 「確かにそっくりだもんね」

 はるるんはジュースを飲んでいた。近くのスーパーの特売品。
 テーブルの向い側、あっけらかんとした感じ。ずっとこんな感じ。
 そんなはるるんに私はむかっとする。そんなことくらい分かってる。
 わざわざ話してるんだから、どういう意味かくらい考えてよ。
 
 「そっくりかもしれないけれど、真美は真美だよ」
 「わかってるわかってる」

 テーブルの真ん中にはオセロの板。はるるんは黒石を白石のとなりに置いた。
 ぱたん、ぱたん、白が二つ、黒になる。

 「たぶん千早ちゃんはそういう意味で言ったんじゃないと思うよ」

 このままだとはるるんのペースだ。両手を組んで、頭をひねる。どうしようか。
 つい最近のこと、千早おねーちゃんと一緒に仕事をしていたとき、千早おねーちゃんが笑いながらこう言った。

 〈もう真美は亜美じゃないのね〉

 その言葉がオセロの石のように、私の背中にぴったりと張り付いて離れてくれない。
 『双海亜美』は裏も表も同じ色なのだ。表は白、裏も白。そういうものだと思ってる。

 私はしばらく考えた後、白石を置く。
 ぱたん、ぱたん、ぱたん、黒が三つ、白になる。

 「じゃあどういう意味で言ったのか、はるるんは分かるの?」
 「分かるよ。千早ちゃんだもん」

 オセロの板を眺めながら、顔色を変えることもなくつぶやく。
 時計の針が3時を示す。外から子供が遊んでいる声が聞こえる。楽しそう。
 はるるんが考えている間、真美もオセロの板を眺めることにした。

 「きっとね、千早ちゃんが言いたかったのはね」

85486312.jpg


 つまんだ黒石を出しては戻し、出しては戻し。次の一手をどうするか、悩んでいるように見えた。

 「おめでとう、ってことなんだよ」
 「……はるるん、ゼンゼン分かんない」
 「うーん、むずかしいなぁ」

 苦笑いしてはるるんは白石を置いた。決めの一手はどうにもはるるんらしい一手。ツッコミどころありまくり。
 考える時間なんていらない、すかさず白石を角に打ち込む。これでおしまいだ。

 「あ」

 はるるんはすっとんきょうな声を上げて、オセロ板を見た。自分が何をしてしまったのか、ようやく分かったみたい。
 ぱたぱたぱた、ななめにまっすぐ白い線が描かれる。気持ちいい。

 「へへーん。まだまだ修行が足りんのう」
 「い、今の、なかったことに」
 「年下相手にみっともないぞ、はるるん」
 「むむぅ」

 手も足も出ないと考えたのか、はるるんはストローをくわえてぶくぶくとコップの中に息を吹き込んでいる。
 ちょっと子供すぎやしないですか、と言いたかったけれど、気持ちが分からないわけでもないので、真美も同じようにする。
 ぶくぶくぶく。出せそうで出せない答え。
 イコールにみえてイコールじゃないようにも見える答え。
 悩んで、答えて、ひっくり返されて、ひっくり返して、またひっくり返されて。
 ジュースの泡がコップから溢れそうになったので、ぶくぶく遊びは止めにした。

 「ねぇ、はるるん」
 「ぶくぶく」

 ぶくぶくっていう返事、初めて聞いたよ。よっぽどくやしいんだ。

 「おめでとうってことは、よろこんでいいんだよね」
 「うん」
 「それならいっか」
 
 双海真美は、双海亜美じゃなくて、双海亜美なんだ。
 それをはるるんは分かってくれてる。たぶん、千早おねーちゃんも分かってくれてる。
 それでいいや。すぐにクリアできるゲームなんて、きっと面白くない。

 もやもやとした問題に、ばしっとチェックをつけた。











 おしまい


コメント

  1. ガルシアP | URL | MhlNZB0o

    真美と亜美。

    素敵な空気感でした。
    きっと2人がぶくぶくしたジュースは希望者殺到でしょう。

    ゆったりとした時間の流れの中での、小さな大切な一歩。
    日本映画的とか、フランス映画的とか、そんな印象で、
    語る事無く伝わる心情、共振、結末でした。
    16歳と12歳の会話。
    キャラクター性を踏まえながら、不自然さを感じさせない流れ。
    自分に書けない分野なので、余計にきらきらと輝いて見えました。

  2. 小六 | URL | -

    コメントありがとうございます!

    コメントありがとうございます。小六です。
    こんな何も起こっていないお話にコメントを頂けたこと、本当に感謝感激の極みです。


    ≫ガルシアP様

    > 素敵な空気感でした。
    > きっと2人がぶくぶくしたジュースは希望者殺到でしょう。

     たいして何も起こっていない、たいして何も解決していない、ただの日常。
     『ある日の風景』とでもいえばいいのでしょうか。そんな空気感が出せたらなぁと思い書いたSSでした。
     今回のテーマは『幼い文体』。文体を変えることで色んな空気を表現していきたいですね。

     二人がぶくぶくしたジュースは希望者が殺到すること間違いなしでしょうねww
     コップ、ジュースそのもの、氷、ストロー、テーブルについた露、どれも貴重な一品です。
     とりあえず僕はテーブルについた露を頂きた(以下省略)


    > ゆったりとした時間の流れの中での、小さな大切な一歩。
    > 日本映画的とか、フランス映画的とか、そんな印象で、
    > 語る事無く伝わる心情、共振、結末でした。

     休日のカフェとか、深夜のバーとか、そういう場所で流れている時間が好きです。
     そこだけ離れ小島のように時間がゆっくりと流れているような気がします。
     のっそりとした性格なので、そんな空気が好きです。そんな俺得浪漫のSSでした。

     日本映画的、フランス映画的とは…これまた恐れ多い評価、ありがとうございます。
     そこまで映画には詳しくないのですが、『ローマの休日』はよく見ておりました。
     アン女王とジョーがベスパでローマを探索する様子。ああいうのが好きですww

     阿吽の呼吸といいますか、以心伝心といいますか、そんな関係性においては言葉ってあまり必要ないのかもしれませんね。
     仕草だけでその人の気持ちが分かる。分かっていると読み手が分かる。そんな関係性って素敵だと思います。


    > 16歳と12歳の会話。
    > キャラクター性を踏まえながら、不自然さを感じさせない流れ。
    > 自分に書けない分野なので、余計にきらきらと輝いて見えました。

     思春期大好き人間からすれば、16歳というのは本当に素敵な年齢で、きっと目に見える物事が様々な色で彩られているのでしょうね。
     そして12歳というのは思春期に入る直前の時期で、それもまた魅力的です。光源氏の気持ちがよく分かります。

     16歳の少女を瑞々しい花と例えるならば、12歳の少女は秘められた蕾といえばいいのでしょうか、魅力的です。
     こんなことを言うから変態だと言われるわけですね、ありがとうございます。
     同年代同士の話もいいですが、ちょっと年が違う少女達の話もいいですよね!!

     もったいなきお言葉、ありがとうございます。
     僕からすれば、ガルシアさんの知的でエスプリの効いた文章は僕には到底書けるようなものではありませんので、うらやまぐぎぎですw


    ≫匿名詭弁w様

     亜美真美って、創作をする者にとって本当に魅力的な存在だと思うのです。
     双子という自分の半身と向き合うこと。
     僕自身は双子ではないのでよく分からないのですが、アイマスの設定からすると必ずぶつかる問題なのかもしれません。
     アイデンティティがまだ定まっていない、いや、個性的な女の子達なのですが、まだ本当のエゴというものを知っていない。
     大人の世界を知っているようで、知らない。そんな『幼きもの』が『大人』を知ったとき、どう化けるか。どんな花を咲かせるのか。
     この二人は、ある意味一番純粋で真っ白な存在だと思います。だからこそ、これからどうなるのかが楽しみな存在なのかな、と。
     こんなことを言うからまたお前は変態だと(ry 

     こんな拙作を読んで、インスピレーションが湧いたというとのこと、とても嬉しいお言葉です。
     先程の言葉からもおわかりかもしれませんが、需要はありすぎて地面に頭を擦りつけてでも読んでみたいと思っております。
     もしお時間があるのでしたら、そしてこんな拙い文字屋に見せて頂けるのでしたら、是非もなく。

     件の話につきましては、メールにてお返事をさせて頂こうと思います。素晴らしいSSをありがとうございました!



    お読み頂きありがとうございました!

  3. coro | URL | -

    ご参加ありがとうございました^^
    真美は真美で、亜美は亜美で、それでいいんだよって言いたくなるような優しい気持ちになりました。これからも双子であることで悩んだり救われたりするんだろうなぁ…
    それにしても真美よりも子供っぽくなってる春香もかわいい!w ぶくぶくw
    …まったりとしているのに動きのある文章が心地よくて、そんな文章を書ける小六さんに(ギギギ
    お疲れ様でした、素敵な作品をありがとうございました^^

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