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はるちはSS書きました

2010年04月05日 22:16

お久し振りです。小六です。
QHK(急に包囲網に囲まれたので)書きました。
閣下っぽい春香さんと千早さんのSSだそうです。
超絶に短いのは、超絶に長くなりそうだったので、一番書きたいシーンだけをとりあえず書いてみました。

以下、SSとなります。
 私が見ている世界は現なのか幻なのか。
 目の前に佇む彼女は私の知る人なのか。
 そんなことはどうだっていい。
 ただ、美しさにかしずくだけ。
 



  La traviata 





 仄暗い室内。カーテンの隙間から洩れる月光と、譜面台に置かれた蝋燭だけがこの部屋の光だった。
 心もとない光の下、私は無心に鍵盤を叩き続ける。春香は鍵盤蓋に肘をつき、私の音に耳を傾けている。

 目を伏せて音を聞く横顔は彫刻。
 軽く開かれた唇は薔薇の花びら。
 流れる髪は雨上がりの蜘蛛の糸。

 瞳が溶けるまで見つめていたい。
 不意に薬指がこわばる。響く不協和音。

「駄目だよ、千早ちゃん」

 深紅のドレスを纏う彼女は、妖艶に笑い私の指に触れる。

「やり直し」

 その言葉を聞いて、再び鍵盤に指を這わせる。
 一体何回目だっただろうか。十回?二十回?いや、そんなことなどどうでもよいのだ。
 私は深く息を吸った。薔薇のように艶やかで、椿のように艶めかしい彼女の香り。
 嗚呼、芳しい。

 演奏が終われば私と彼女との逢瀬も終わってしまう。ただそれが惜しかった。
 願うならば、何度でも、指が壊れてもずっと、彼女の声と身体と魂を感じていたかった。
 蝋燭の炎が妖しく揺らいでいた。額がじりりと焼かれるように感じる。視界がぼんやりと霞んでゆく。
 甘やかな幻惑にほだされて、私は何度も同じところで演奏を間違える。

「また間違えちゃったの?仕方ないなぁ」 そっと耳元で囁かれる。

「こんな出来損ないのピアノなら、取り換えちゃおうか」
「……!!」

 思わず懇願の言葉が漏れそうになる。だが、その言葉は口付けに絡め取られた。
 そうだ、私はピアノなのだ。ピアノが口を利くはずがない。蹂躙される快楽にただ身体を委ねる。
 白くすべやかな指が私の首筋を撫ぜたと思えば、鎖骨の上に爪を突き立てられた感覚。

「傷が付いたら使い物にならないね」

 突き立てた指をハンカチで拭き、春香は嬉しそうにそう呟いた。
 うっすらと血が浮き上がってゆくのを感じた。きっと紅いのだろう。彼女と同じ紅。
 恍惚としたまま瞳を彷徨わせると、目が逢った。儚げにゆれる睫毛、静かに燃える緑の焔。


    美しかった


「ねぇ、千早ちゃん」 

 春香はピアノに語りかける。幾度となく繰り返される約束の言葉。

「千早ちゃんは、いなくならないよね」
 
 知ってる。あなたが愛しているのは私とは違う人。
 だけど、その人はいつもあなたの下から去ってしまう。

 愛しているといくら語っても、あなたの体を抱き締めてはくれない。
 愛しているといくら嘆いても、あなたの涙を拭い取ってはくれない。
 愛しているといくら叫んでも、あなたの愛を受け止めてはくれない。 

 繰り返される愛と、遂げることのない約束。
 叶いもしない言葉なら、いっそ溶けてなくなってしまえばいい。

 そして私はもう一度間違える。
 終わらない楽章。
 三日月のように閃く唇の紅。

「よくできました」

 私の全ては、あなたのもの。









 続きは省略されました。
 続きを読むにはHENTAIHENTAIと小六に罵って下さい。


コメント

  1. トリスケリオン | URL | UzUN//t6

    背中にゾクゾクするような背徳感や、少しでも間違えれば
    色々な意味で壊れそうな関係

    妖しくも美しいとは まさにこういうことなのだろう

  2. 微熱体温 | URL | -

    何も言うまい。

    続きを……小六閣下、我ら小六様の愚民に……続きをっ!! orz

    言葉の一つ一つが、芳しく艶やかで繊細。丹念に織り上げられた全ての描写が
    繻子の如く輝き、むせ返るほど濃厚なDolceを鼻先に突きつけられる。
    愛と言う名の煉獄に囚われた千早、弄ぶ閣下……くゎああああああああっっ!!

    *微熱体温は出血多量のため人生からログアウト致しました。

  3. 晴嵐改 | URL | bB16gPrA

    いやいや、なかなか良い雰囲気ですよね

    続き、書くんですよね?w
    たのしみにしてます

  4. ルシアン | URL | -

    いい雰囲気ですね
    もちろん続き書くんですよね?

  5. 小六 | URL | -

    コメントありがとうございます!

    コメントありがとうございます。小六です。
    ドMの浪漫を追い求めた結果がこれです!(キリッ

    ≫トリスケリオン様
    >背中にゾクゾクするような背徳感や、少しでも間違えれば
    >色々な意味で壊れそうな関係

     閣下っぽい春香さんをひたすらひたすら見つめ続けた結果、こうなりました。
     赤って、そういう危なさと妖しさを秘めている色なのかもしれません。
     別にエロいものを書けという指定はなかったのに、
     何故かエロくなるのは僕の頭が残念なせいですねわかります。

    >妖しくも美しいとは まさにこういうことなのだろう

     今回特に気にしたのは、「美しさ」でした。
     背徳的なもの程美しくあるべきだという謎のモットーに突き動かされて書いてみました。
     ドMだからって別に好きでもない人には跪かないんですよ!
     好きで好きで美しくて愛しいからこそ跪くんです!とかなんとかもごもご。


    ≫微熱体温様

    >続きを……小六閣下、我ら小六様の愚民に……続きをっ!! orz

     微熱さんが…何かに御目覚めになられた…!!
     ようこそドMの世界へ。素晴らしい世界です。続きは書きます。

    >言葉の一つ一つが、芳しく艶やかで繊細。丹念に織り上げられた全ての描写が
    >繻子の如く輝き、むせ返るほど濃厚なDolceを鼻先に突きつけられる。
    >愛と言う名の煉獄に囚われた千早、弄ぶ閣下……くゎああああああああっっ!!
    >*微熱体温は出血多量のため人生からログアウト致しました。

     身に余る賛辞、本当にありがとうございます。
     エロいというよりもむしろいかがわしいという雰囲気を目指して書いてみました。
     エロなんてピュアな僕には書けないであります!!
     強い依存関係と言えばいいのでしょうか、それもある意味愛の一つの形だと思います。
     僕も春香さんに弄ばれたいです。弄ばれたいです。
     「汚らわしい豚ね」とか言われたいです。春香さん、嗚呼春香さん、春香さん。
     ※小六は出血多量のためリアルからログアウトしました。


    ≫晴嵐改様

    >いやいや、なかなか良い雰囲気ですよね

     ありがとうございます。まさか晴嵐改さんにまでお褒め頂けるとは…光栄であります!
     雰囲気としては谷崎潤一郎みたいな雰囲気を目指しました。むっつりの浪漫です。

    >続き、書くんですよね?w
    >たのしみにしてます

     はい。このSSにしても今読み返すと気に入らない部分が多いので、
     それも含めて、きっちりとしたストーリーにしたものを書いてみようと思います。


    ≫ルシアン様
    >いい雰囲気ですね
    >もちろん続き書くんですよね?

     ありがとうございます。
     僕のSSは雰囲気でごり押しするところがあるので、その辺りを直していきたいですね。
     続きは書きます。少し時間がかかるかもしれませんが、お待ち頂ければ嬉しい限りです。


    ≫匿名偽善w様

     読者様は神様です!
     次はどんなお方になられるのでしょうね…僕も楽しみにお待ちしておりますw
     はい、続きは書こうと思います。今回のものにも少し手を加えたい部分がありますので、
     その辺りも含めて書いていきたいと思っております。精進あるのみです。


    お読み頂きありがとうございました!

  6. | URL | JjuufYjI

    某所からお邪魔します

    春香、否、閣下に、鍵盤の蓋で両の手指全部折られたいです。
    その時は俺が千早だったらいいのに。

  7. 小六 | URL | -

    コメントありがとうございます!

    ≫蠍様

    >某所からお邪魔します

     コメント返しが遅れてしまい、申し訳ございませんでした。
     いらっしゃいませ。深海魚の如くこっそりと動くSSブログへようこそ。
     こんな文章しかありませんが、楽しんで頂ければ幸いです。


    >春香、否、閣下に、鍵盤の蓋で両の手指全部折られたいです。
    >その時は俺が千早だったらいいのに。

     素敵な願いですね。僕も折られたいです。それこそギロチンのように。
     「こんなことに悦んでるの?全く、度し難い豚ね」とか言われるとなおさら素敵ですね。
     僕は閣下から春香さんの魅力に堕ちた人間の一人なのですが、そんな魅力もありかな、と。
     あまり自分の願望を文字に出すとドン引きされてしまうこと請け合いなので、
     このあたりで自重しておこうと思います。


    お読み頂きありがとうございました!

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