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みきなおSS書きました

2010年09月05日 00:17

お久し振りです。小六です。
8月になったら更新頻度上がるかもって言った結果がこれですよ!
まぁ気楽に楽しくSS書いていこうと思います。

みきなおって何だよ?美希さんと菜緒お姉ちゃんのお話ですよ!!
こういう設定資料があまりないキャラを動かすというのは、なかなか難しいですね。

【追記】 なんと!菜緒さんクラスタのパイオニア、ノベマス界のロックスターこと、なかなP様から挿絵を頂きました!
     イラストはSS中に掲載させて頂いております。本当にありがとうございました!

以下、SSとなります。



 コンコン、とノックの音が聞こえた。

「どーぞー」
「またアンタはそんなカッコして……」

 お姉ちゃんもお姉ちゃんだと思うけど。そう返してやろうって思ったけど、お姉ちゃんの渋い顔が見えたので止めにした。
 左手に持ったコーヒーのマグカップが白い煙を立てている。最近忙しいからか、目にクマさんがうっすら。

「いーじゃん。ここミキの部屋なんだし」

 そう言って寝返りを打つと、背中からため息をつく声が聞こえた。





     こーひーとからめる






「確かこの辺にあるはずなんだけど」

 ごそごそ。雑誌入れをひっくり返してお目当てのモノを探す。
 お姉ちゃん曰く、「昔貸した本を返してくれ」とのこと。探し始めて数十分。成果は床の上に積もった古雑誌の山がいくつか。

 そもそも「昔」っていつのことだか分からないし。西暦何年何月何日何時何分何秒地球が何回回った日に貸したか教えてほしいの。

「まさか、ゴミとして捨てたわけじゃないでしょうね」
「あはは、そんなことあるはずないのー ……たぶん」
「たぶん?」
「あっほら見てお姉ちゃん!これミキが出てるんだよ」

 こういうときは牛歩作戦が一番だって律子が言ってた、気がする。私はパッと目に入った雑誌をお姉ちゃんに押し付けた。
 はぁ、と呆れたような声を出して、お姉ちゃんはコーヒーを飲みながら雑誌に目を通し始める。
 対症療法だと言われても仕方ない。現にそうなのだ。そんなことを頭の隅で考えながら、私は借りたはずの本を探した。
 今日は適当にテレビ見てそのまま寝ようと思ったのに、とんだ災難だ。しばらくすると、お姉ちゃんがぼそっと呟いた。


    160970267.jpg

 
「……美希がこんな有名どころに出るなんてね」
「自分でいうのもおかしいけど、ミキ、結構注目されてるんだよ。あ、一緒に映ってるの千早さん」
「うん、それは知ってる」
 
 おざなりな言葉を返し、お姉ちゃんは再び雑誌に視線を落とした。そんな言葉にむっとして、私も再び探し物を探す作業に戻った。
 ホント、かわいくないの。千早さんなんて超有名アイドルなんだから、「キャー!」とか「サインお願いしてよ!」とか言えばいいのに。
 だいぶ昔に家族と一緒に遊びに行ったときの写真が目に留まる。
 幼稚園児だった私は、お姉ちゃんの袖をつかんでカメラを見ながら笑っていた。
 そんな姿を見て、我ながらなにやってんのと言いたくなる。写真についた埃を払って、作業を再開する。

 お姉ちゃんって、ホントずるい。
 いつだってミキの先を進んでるから。 

 ブラックコーヒーだなんてそんな大人っぽいもの飲んじゃってさ。あんな飲み物、ただ苦いだけの泥水なの。
 アイドルって仕事を始めたときには、もう先生になるだなんて言い出してさ。
 追いつけたと思ったら、また遠くに行っちゃって。いつだって落ち付いた声でミキを呼ぶんだから。


 どうせ飲むなら甘くて良い匂いのするキャラメルマキアートがいい


 そんなこと言うと「まだまだ子供ね」って馬鹿にされそうだから、止めとく。

「まだ見つからないの?」
「う…、き、きっともうすぐ見つかるの!」

 ため息とともに閉じられる雑誌。牛歩作戦失敗なの。明日律子に文句言ってやるんだから。
 目の前に積み上げられた雑誌の山を一つ、キレイに整えてからお姉ちゃんは立ち上がった。

「借りたものの場所くらい、覚えてなさい」
「そんなこというなら、本の名前くらい教えてよ」
「そんなの覚えてるわけないじゃない」

 雑誌の埃がついたのか、お姉ちゃんはドアを開ける前に首に巻いたタオルで手を拭った。
 お姉ちゃんだってもう立派なオトナなんだから、見つからないなら買えばいいのに。私はお姉ちゃんの背中をきっと睨みつけた。
 そんな私を知ってか知らずか、お姉ちゃんはやれやれと頭を軽く横に振った。

「だって、美希が言ったんじゃない。『これ貸してほしいの!』って」
「あ」
 
 そう言ってお姉ちゃんはミキの部屋から出ていった。
 ぽつんと一人取り残された部屋で、ドアが閉まる音が妙に大きく響いた。


 ああ、そうだ。
 思い出した。私が中学生に上がったときだ。 

 あの頃のお姉ちゃんはいわゆる受験勉強って言われるものに没頭していて
 勉強なんてやりたくないやりたくないってボヤいてるくせに、夜遅くまで机にかじりついていて
 蛍光灯の下、馬鹿みたいに積み上げられた本の山に囲まれながら必死にペンを動かしていた背中。
 ぼんやりとだけど、覚えてる。

 そんな背中を見てると、なんだかすごいなぁって。
 美希も将来は、あんな感じになれるのかなぁって。

 こっそり開けたドアの向こう、パッと目に付いた本を手にとって、頼んだんだ。


 『おねえちゃん、これかして』



 そういうこと、探すときに言ってくれたらいいのに。
 部屋の埃も気にせずに、私は床に倒れ込んだ。

 部屋の真ん中についた蛍光灯がチラチラと光っていて、それが眩しくて目をつむる。
 脳裏に映るのは、輪郭も意味もへったくれもない、ただぼんやりと形を変える光の影。
 こっちだよって言われて意識を遣ると、違うよこっちだよって笑いながら、影はするりと逃げていく。
 

 ああもう、いつまで経っても追いつけないなぁ



 コーヒーの匂いがまだ部屋の中に残っていた。








 <了>


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